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平出 哲也
陽電子科学; 基礎から応用まで, p.127 - 132, 2021/08
陽電子消滅寿命・運動量相関測定は、陽電子入射時刻、陽電子消滅時刻、および陽電子消滅線エネルギーの相関測定である。この陽電子消滅寿命・運動量相関測定の測定方法、解析方法などについて簡単に述べ、また、この手法を用いた興味深い研究をいくつか解説する。
深谷 有喜
陽電子科学, (13), p.3 - 10, 2019/09
全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法は、物質表面や2次元物質の原子配置を決定するための表面構造解析手法である。陽電子はプラスの電荷を持つため、物質表面に入射する際、斥力を受ける。特にすれすれ入射の場合には全反射が起こり、その物質表面への侵入深さは原子1個分の厚みにしか満たない。このことがTRHEPD法を最表面に敏感な構造解析手法たらしめる。本稿では、電子ビームの場合との比較を交えながら、TRHEPD法の原理と特徴について紹介する。
深谷 有喜
陽電子科学, (11), p.41 - 44, 2018/09
本研究では、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)を用いて、ゲルマニウムの2次元原子シートであるゲルマネンの原子配置を決定した。回折強度の定量解析から、Al(111)基板上に合成したゲルマネンは、先行研究で予測されたような単位格子中2個のGe原子が突出した対称的なバックリング構造ではなく、Ge原子1個だけが突出した非対称な構造をとることがわかった。
平出 哲也
陽電子科学, (11), p.33 - 40, 2018/09
絶縁材料中に入射した陽電子は、そのトラックの末端で熱化し、過剰電子の一つと1ps程度の時間にポジトロニウム(Ps)を形成する。したがって、Ps形成は液体中の過剰電子の溶媒和過程のような速いプロセスを調べるためのプローブとなり得る。放射線化学では室温イオン液体(IL)を照射することで興味深い現象がみられ、またその現象はILの応用において重要なものであった。そこでILの陽電子消滅寿命(PAL)測定を行ったところ、IL中で最短寿命成分の異常に長い寿命値が見出された。これらの異常な寿命値の原因を明らかにするためにPALと陽電子消滅寿命-運動量相関(AMOC)測定を行い、最終的にPsバブルの振動を発見した。最近の研究について結果を紹介しながら解説する。
甲斐 健師; 横谷 明徳*; 藤井 健太郎*; 渡邊 立子*
陽電子科学, (8), p.11 - 17, 2017/03
放射線により、DNAの数nm以内に複数の損傷部位が生成されると、細胞死や染色体異常のような生物影響が誘発されると考えられている。著者らは、DNA損傷生成の機構に関係すると考えられる細胞内の放射線作用の解析として、細胞と組成の近い水中で高エネルギーの1次電子線・陽電子線により生成される2次電子の動的挙動を計算した。その結果、2次電子は、親イオン近傍で電離・電子的励起を誘発しやすく、減速した電子の約10%は、クーロン引力により親イオン付近に分布することが分かった。続いて、これらの計算結果から、以下のように複雑なDNA損傷の生成機構を推定した。DNA内部から電離した2次電子は、DNA外部に飛び出す前に、DNA内部で電離・電子的励起を誘発可能である。さらに、クーロン力により引き戻された電子は、DNAの水和層で水和前電子になり、解離性電子移行によりDNA損傷を誘発可能である。結果として、1次電子線・陽電子線のみならず2次電子の作用により、1nm以内に複雑DNA損傷が生成され得る。
平出 哲也
陽電子科学, (4), p.3 - 8, 2015/02
陽電子消滅寿命・運動量相関測定は、陽電子入射時刻、陽電子消滅時刻、および陽電子消滅線エネルギーの相関測定である。この陽電子消滅寿命・運動量相関測定の測定方法、解析方法などについて簡単に述べ、また、この手法を用いた興味深い研究をいくつか解説する。
河裾 厚男
陽電子科学, (4), p.9 - 22, 2015/02
本稿では、放射性同位体から生ずる陽電子のスピン偏極性、スピン偏極陽電子ビームの開発、スピン偏極陽電子消滅の基礎、及び、スピン偏極ポジトロニウム測定による金属表面の電流誘起スピン蓄積の研究、について解説する。